LOUDNESSとは

音楽の多様性

娯楽文化の代表的なものとは言えば何か、そう問いかけられたときにどのように答えるだろうか。もちろん通常の、日常における話についてだ。就職活動などをしていると趣味の欄で、休日などにしている趣味は無難なものしか書いていない、本当の個人的に趣向に傾倒している文化をひた隠しにしている人もいるとかいないとか、そんな時代だがここでは純粋な意味で質問されたとき、と言う風にしておこう。ただすべての趣味が受け入れられるとは限らない、かなり特殊というかマイナーな娯楽ともなるとその業界の一端すら知らない人にしてみれば、もはや未知の異界そのものだ。ここで簡単に例として挙げてみる。

1:女装・男装趣味

2:アニメ・ゲームなどの二次元作品

3:大衆よりではない音楽

みたいな所だろうか。最近の日本では2.についてはそれなりに市民権を得ている部分もあるが、大多数という面ではまだまだ受け入れる事は絶対に出来ないと否定している人もいる。これ以外にも1.と3.についても中々隠れた文化的なものがある。1.については絶対に隠したいと思っている人がほとんどのはずだ、この中にはいわゆるコスプレという意味合いを元にしているところもあるが、そういうのではなく、普段のお勤めの中でストレスまみれの生活から解放されるために女装、もしくは男装をしている、という風に自分としてのアイデンティティを守るために行っている人もいる事を考えたら、無下に趣味についての反論は出来ない。

そういう意味では3.の大衆音楽として親しまれているわけではないマイナー音楽はある程度認知されているのだから、不思議なものだ。それもやはり音楽というものがなせる技なのかもしれない、そのため今まで聴いた事はなくてもジャンルとしてそういうのがあるというのを薄らと、理解している人は非常に多い。だからこそ世界としても繋がることが出来ると考えると、話が広がるわけだ。面白いことこの上ないことだ、他の文化には必ず相反する感情で満たされて、ただ2つの想いだけでしか構成されていないにも関わらず、音楽については別だと筆者は分析している。音楽とは非常に多様なものだ、今回はその中でも『ヘヴィメタル・ミュージック』という一癖も二癖もある音楽について記していこう。

参考例として

ではここから簡単にヘヴィメタルという音楽文化について述べていくことになるわけだが、最初に音楽的な概要を説明しても恐らく話を膨らませることは出来ないと思うので、ここでは簡単に一例としてあるバンドを紹介しながら話を進めていこうと思う。そのバンドとは『LOUDNESS』と呼ばれる男性ヘヴィメタルバンドの4人組なのだが、所属している面々が現在の音楽業界において中々の重鎮揃いとなっている。というのもそもそもこのバンドそのものが活動歴が非常に長く、何と1981年という80年代初期の頃から現在まで活動を続けているというのだ。業界に詳しい人ならまず知らなければいけないバンドだろう、ただこのバンドはヘヴィメタルという音楽もそうなのだが、その活動記録についても面白いところがある。それはメンバー編成についてだ。

音楽を複数人で行っているとどうしてもトラブルが生じることもある、それは単純に音楽の方向性が異なっていたり、メンバーの誰かが病で倒れてしまって活動できなくなってしまったなど、理由は様々だ。ファンにしてみればとても悲しいことなのだろうが、一般人からすれば例えメンバーが変わったとしても実のところどうでもいいだろうと、考えているので世知辛いといってしまえばしょうがいないところもある。このLOUDNESSもそうだが、活動してから様変わりしている様子を窺い知れることが出来る。

パート 第1期(1981年~1988年) 第2期(1989年~1992年) 第3期(1992年~1993年) 第4期(1994年~2000年) 第5期(2000年~2008年) 第6期(2009年~)
ボーカル 二井原実 マイク・ヴェセーラ 山田雅樹 MASAKI 二井原実 二井原実
ギター 高崎 晃 高崎 晃 高崎 晃 高崎 晃 高崎 晃 高崎 晃
ベースギター 山下昌良 山下昌良 山下昌良 山下昌良 山下昌良 山下昌良
ドラムス 樋口宗孝 樋口宗孝 樋口宗孝 本間大嗣 樋口宗孝 鈴木政行

このようになっているが、2001年から8年ほどの時間は活動休止期間こそあったものの、名実としてはバンドはまだまだ存続していたと見ても、実に現在2014年までで約33年という長い時間をバンドがそのままとなっている。メンバーこそ交代している回数が合ったりしているが、これだけ長い時間バンドを継続していれば中には体調を崩して亡くなってしまった人もいるからだ。そう考えるとしんみりしてしまいそうだが、時間にはさすがに勝てないのでそういうことにしておこう。

筆者が何を言いたいのかというと、ここまで継続してバンド活動をしているというのは中々難しいということだ。現在の音楽業界でも一しきり全盛期を迎えながらも、その後の活動はあまり見られないバンドが多く見られている中、ヘヴィメタルはどうしても大衆向けの音楽とは言いがたく、活動を維持して行くだけでも相等困難なのは目に見えている。そう考えればこのLOUDNESSというバンドがヘヴィメタルという音楽的なモノで言えば、中々の大物だということも理解できるところだ。

しかもそれだけではなく、実は日本という国だけではなく世界的にその名を知られている代表的なロックバントとして、その名を欠かすことは出来ないとまで言われている。それもそうだ、その活動記録の中には80年代中盤というデビューしてから数年で世界に進出し、アメリカビルボードチャートのアルバムランキングにて100位以内にランクインするなどの記録を刻み込んだ。更にその後世界で一番有名なアリーナ会場としても名高いアメリカにある『マディソン・スクエア・ガーデン』にて、これまた世界的にその名を知られているヘヴィメタルバンド『モトリー・クルー』の前座としてだが、その舞台に立つ事が出来たという日本人アーティストとして初の快挙を樹立するなど、実は日本という尺度で考えれば音楽シーンの全てを彼ら無くして語ることは出来ない、物凄いバンドだったのだ。

そして彼らの活躍によって影響を受けている人気アーティストが数多くいる。その中には世界的にその実力を認められているB'zの稲葉浩志や、音楽性こそ系統は違っているもののスピッツという暖かい音楽を謳っている事が多いバンドにもその活動に名をしめてしているという事を踏まえると、どれだけ凄いバンドなのかが理解出来る。

実はこのバンドが結成される以前には

LOUDNESSとして活動して現在でも存命である高崎晃氏は、結成する前に実はちょっとしたバンドを組んでいた。それが当時『レイジー』として活動していた、こちらもハードロックやヘヴィメタルなどの音楽で活動し、その才能を認められて日本の音楽最前線となる東京に訪れたが、解散を余儀なくされる。

そのレイジーだが、実はここでもまさか知らない人はいないといえるような凄い人がボーカルを担当していたのだから、筆者は驚いた。その人の事は子供の時から知っているが、略歴についてはそこまで把握しているわけではなかったので、こうして原稿を書いている時に少しばかり驚きを覚える。

そのボーカルというのが現在アニソン界でその名を知らないなどと寝言をほざいたら、間違いなく取られることになる『影山ヒロノブ』氏だ。元々高崎氏とは小学校時代からの同級生で、LOUDNESSとしての活動には参加していないが、田中宏幸氏という人も加えた3人は幼少期からの友人だったこともあり、そこから樋口氏とキーボード担当の『井上俊次氏』などを加えてレイジーとして活動していたという。そしてこのメンバー全員が何を隠そう音楽業界でもその名を知られた大物として後にその地位をものとするなどしているが、そうなるまでに実は葛藤があったという。

LOUDNESSとしての活動こそまさしくヘヴィメタルとしての音楽性を打ち出しているが、レイジーとして活動をしている最中は何とアイドルとして売り出されていたというのだ。全く異なるジャンルだったこともあり、いつかはヘヴィメタルを弾くことが出来ると思いながら粛々と活動をしていたが、大人の事情が絡み合った事務所の意向と、メンバー間の創作活動が阻害されているためにストレスを溜め込んでしまうなど、世間と自分たちとの音楽性があまりにも乖離してしまっていたという切実な問題を抱えていたという。

その後1980年には完全にヘヴィメタルへと音楽を転向することを発表し、さらにその後の活動としても方向性や業界を生き残るために必要なことも含めてレイジーは解散し、その後高崎氏と樋口氏は前述のLOUDNESSを結成し、その後影山氏はソロデビューを飾り、1990年代に放送されたドラゴンボールZの主題歌を担当してミリオンセールスを記録するなど、目覚しい活動を見せるのだった。

親交は現在も継続している

こうしてみると、メンバー間でわだかまりなどがあったために解散したようになっているが、もちろんそれもあるだろう。お互いがお互いの目指す音楽性が違っていれば、バンドは継続することは出来ない。しかしそれが必ずしも個人的な問題ではなく、お互いを考えた上での良好な別れであれば中々絆は切れないものだ。レイジー解散後も影山氏と高崎氏、2008年に他界してしまったが樋口氏などとも音楽として共演するなど、それぞれが何かわだかまりを抱えていたままでは仕事は成立しないものだ。そういう意味ではレイジー時代からファンを継続して、メンバーを応援しているという往年のファンがいてもおかしくないだろう。

バンド間などで解散する際、個人間におけるトラブルなどで解散を余儀なくされてしまうなどがあると、どうしてもどんなにファンが望んでも復活や再結成はまずありえないというのも、この業界ではお決まりだ。中にはまた再び活動して欲しいと思っているバンドがあるかもしれないが、レイジーのようにそれぞれが活動を広げながらも現在までで穏便に共演をすることもあるような関係で、1つの歴史に幕を下ろしたバンドは中々ないのかもしれない。人間関係をこじらせたらどんなことがあっても中々その縁が再度繋がることはない、音楽としてはそれはあまり関係性という点で考えればありえないのかもしれないが、それが出来ないのも人間らしいといえば人間味溢れることだ。難しいが、レイジーのような例で穏便に事を終結するのは簡単ではない。